光陰のバルーン(8)/
信天翁
ナンセンスな暮らしのなか
秒針には関心もなく
いっぷんの「長き時」さえ持て余しているのに
行く年来る年と云われて
おらは恐ろしくなった
セットしたタイマーのかおが
スタートさせたストップウォッチのつらが
タナトスの呪文を漏らすかに思えて
そうだ きっとそうに違いない
ふるさとのターミナルにたたずんでいる
あの古時計のセコンドも
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