もう一度の時に浮かんだこと/石川和広
 
立たれへん
そうだ
息止まる寸前まで
腹殴られて
大事なものだけ
まるく抱えて
うずくまった

みょーに深い空の
寒い夕方想う
虫の死骸とか
小さい河の流れる音
なかで
昨日あめ降って
草湿った河原
帰ろうぜて
あいつら云う

ここで倒れてる
自分が土に溶けて
草でも生えたらなー
じんじん
するなググーてなる
このままでいてられるか!
体うごかん
ランドセル汚い
それから雲を見て
帰る時
たぶん神様みたいな
赤い雲
風呂はいりと
黙った


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