綾(あや)/yumekyo
 
京(みやこ)の雪は 
帰省の翌日 
天気予報にあったとはいえ 
数年来の大雪で 
暮れの街が大混乱 
テレビのニュースでのみ見る 
京の冬らしい姿に 
立ち会えなかった 
呑んでは寝て 呑んでは寝ての 
寝正月 
田舎の冬はいつもどおりの青空 
それも 
転寝のうちに急に冷気を感じて 
飛び起きれば 
予報にもなく 
見慣れた山も 曲がった国道(みち)も 
白化粧 
年賀状の配送枚数は 
毎年逓減しているとはいえ 
相変わらずの水準らしい 
思わぬ便りに 
目を細めて見つめるのが 
正月の風景 
この年になったら生存確認みたいなもんでもあるで 
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