風花の夜/朧月
居場所づくりの雪をかく
道路わきに寄せられた雪 黒くなってる
汚れてる
優しい小鳥は踏んでゆく
もう融けておしまいと
空に持ち帰るのは
だれの願いでもありません
タイヤの跡は
あのこの涙のように
すべってる 流れてる
わたしたちはいつも
うけるだけ 遠まわしになった
風花を
それでも 何度も上をむくのでしょう
ゆるやかな夜を
むかえてひとり
ないものに悲しみながら
写真入りのハガキを吐息とともに
数えています
空に持ち帰るのは
だれの願いでも ありません
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