風花の夜/朧月
 
居場所づくりの雪をかく
道路わきに寄せられた雪 黒くなってる
汚れてる
優しい小鳥は踏んでゆく
もう融けておしまいと

空に持ち帰るのは
だれの願いでもありません

タイヤの跡は
あのこの涙のように
すべってる 流れてる

わたしたちはいつも
うけるだけ 遠まわしになった
風花を
それでも 何度も上をむくのでしょう

ゆるやかな夜を
むかえてひとり
ないものに悲しみながら

写真入りのハガキを吐息とともに
数えています

空に持ち帰るのは
だれの願いでも ありません


戻る   Point(2)