こわしたな/森未
 
あたしの好きだった世界は
こわれてしまった
あたしの好きだった歌は
こわれてしまった
あたしの好きだったあの人は
こわれてしまった

どうやっても直らないのです
それらはすべてわたしの手の中でこわれました
強くにぎってしまったからです
それらはすべてわたしが「こわしてしまった」のです

だから
どうやっても直らないのです
どうやってもどうしても

でも
悲しくはないのです
どうしてでしょうなぜでしょう

うふふとあたしは笑うのです
それはとてもきれいだからです
こわれた世界が、歌が、あの人が
とてもきれいだからです
それらを抱いて眠りました

そしたら朝が来て
世界はそこにありました
歌はそこにありました
あの人は隣で眠っていました

あたしは少し、泣けてきたのです。
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