大地/寒雪
雑草もいなくなって
剥き出しの岩肌を
木枯らしにさらけ出して
底冷えする意地悪さに耐える
荒れ果てた大地の上に
白く化粧を施した
柔らかな新雪が
みんなで手を携えて
降り積もっていくのを見てる
沈み行く太陽の
別れを惜しむ悲しみにも似た
地平線を紅く染め上げる陽光を
全身一杯に受けながらも
その白さを変えることなく
緩やかに体を次々と重ねていく
新雪の強さに心を震わせる
やがて地肌が隠れた大地は
新雪で隙間なく埋め尽くされる
その光景を見て思わず
飛び出して足跡をたくさんつけ
新雪をこねくり回して汚す
自分の心を塗装してしまいたくて
懸命に茶色の領域を増やしていく
寒空の下
気が付くとぼくは
たくさん目から涙を零していた
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