呪詛/セガール、ご飯ですよ
 
倒れ
親父は赴任先で蒸発
俺と違って出来のいい
自慢のかわいい妹さえも
訳の分からない男に騙され
子供と借金をこしらえて
気が変になっちまった
いったいどうなっているのか
俺が就職したからなのか
就職せずにいたからなのか
そんなことを考えている間にも
お袋はみるみる弱っていくし
妹はひとり暗い部屋のなか
膝を抱えてうずくまっているし
俺は俺でまた3時間後には
出勤をしなければならないし
いったいどうすればいいというのか
いったい俺にどうしろというのか
訳の分からない気持ちに疲れて
詩の世界に救いを求めてみたって
とにかく俺には時間がないから
胸の中に渦巻いている感情を
言葉に変換する余裕もねえ
だから俺はもう寝るから
寝て起きて仕事行くから
お前らも早く寝ろ
雨の中を傘もささずに
電柱数えながら誰ともなしに
無表情で祝辞を述べてる暇があるなら
さっさと寝て就職して破滅しろ


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