初雪/
朧月
目覚めると雪だった
こんもりと雪だった
綺麗事の通じない相手に
ただ立ち尽くした
計算も練習もまだしていなかったのに
うかつな私をみずに降り続いた
山肌は黒白く
うろこのようだった
大きな魚のように移動しそうだ
私は気付く
それらすべてが生きている
私と同じに
そろそろと歩く私の足は
重く雪にとられながら考え事している
後ろに残す足跡が申し訳なさそうに
隠れる降る雪の下に
山の魚は色白になり
それでも 目の前を横切った
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