プラットフォーム/寒雪
 


暗闇を切り裂く
鼻先の照明に浮かび上がる
寂れたプラットフォーム
ぼくの降りる駅
冷ややかなコンクリートに
足を下ろすと
確認したように電車のドアが閉まる
振り返るとぼくの存在をかき消して
静かに立ち去っていく
電車のフォルムをただ眺めている


行き先がわからなければ
どこまでも乗り続けていられたのか


誰もいない無人駅に一人
ふと見上げると
雲をまとった月が
優しく穏やかに微笑んでいる
なぜかしら心が安らいで
ぼくは安心感を胸に
一人家路についた

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