貯金/yumekyo
 
晴れの日を迎えたふたり 
彩る花は 少し数が少なかったけど 
補って有り余る仲間達が 
若いふたりの前に 代わる代わる現れては 
シャンパングラスに 祝福を注いだ 
まだ 始まったばかりなのに 
予定調和のように 美しかった 
これまでの人生で 
ふたりがそれぞれの仲間と  
残してきたこと 
一緒に流した 汗の思い出 
一緒に笑った フレームの堅さ 
一緒に勝ち取った 栄光のしるし 
一緒に与えた 笑顔の細波 
そのたびごとに 
ふたりはかけがえのない 貯金を積み重ねていって 
預金通帳に 数字を刻んでいった 
そしてこのたび 
想い人を安心させて 抱き寄
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