昔のクリスマス/砂木
彼の家というものに誘われたのが
初めての クリスマスの夜だった
家族に紹介するというので
料理など持参してみたり
めいっぱい緊張して気を使って
ぎくしゃくと挨拶をすませて彼の部屋に行くと
チョコレートの花が飾られてあった
バレンタインの と思ったが
まだ 付き合いだして間もない頃
誰からのものかとは 聞けなかった
昔の彼女からの とは理解した
いろんな話しからして彼が振られたらしい
余程 大事な人だったんだな
振られたんならしょうがないな
結婚までには片付けてくれるだろうと
漠然と思っていたが結婚してもそれはあった
片付けるに片付けられず 私は見ないふりをした
[次のページ]
戻る 編 削 Point(8)