めくるめくる/あぐり
 
の名を問えば少し温度を下げる頬骨






こんなにも貧しいからだが愛される遠い遠いせかいで光る






ともだちがともだちじゃなくなるときの瞳の縁の綺麗な寒さ


レノンには言えないことがありすぎて、くるぶしばかりこする明け方


明日には摂氏零度になる空で、ひきつる瞼を押さえて泳ぐ


腰骨の少し内側おさえれば落ちる椿の声がきこえる





はつしもがゆめのうみにもおりたから、みぎてとてぶくろつないでねむる




今そこに覆い被さる冬空へ溶けずはためくマフラーの赤









ふと、たまに、ふたりのあいだをさよならがしあわせそうにとおりすぎます









かさぶたをそこはかとなくめくる気分 あしたはあした わたしのあした








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