メッセージ/小川 葉
あらしが
まちにきている
いつになく
つめたいあめをふらせ
いつになく
きびしいいなずまを
とどろかせている
ふと
わたしはきがづいた
これは
ちちなのだと
かさをさす
わたしのかたをぬらし
ズボンのすそを
はためかせ
かさをうばっていった
それから
たちつくす
いまのわたしを
こんなにも
きびしく
ぬらしていくのは
いのちではないものが
あるとしたら
こんなにも
つめたいあめをふらせ
つめたいかぜを
ふかせているのは
まぎれもなく
かつていのちだった
ちちからの
メッセージ
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