ごめんなさい/haniwa
 

駅に行けばどうにかなるって
遅刻しそうな人はそう考えていた

携帯電話を買えばどうにかなるって
孤独死しそうなお母さんはつぶやいた
僕はただ心をこめてごめんなさいといった
その音は 早く死ねとしか聞こえなかった

とおい国で君が僕を待っている
もう顔を思い出せない君をまだたまに夢で見る
雪降るちいさな田舎町の本屋で
君と僕は同じ本を立ち読みしていた

絶望感だよと白木屋で友人は叫んだ
この国のひとたちはみんなドMだ
絶望的で閉塞的なものを書けばいいんだと
好きでかいてるわけじゃない という反論しか浮かばなかった

かえり道
真夜中の公園で子供たちがサッカー
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