あかみどり/ゆるこ
音のする方へ
感覚を伝わせて
光の曲線を描きながら
死んでゆく触媒
優しさを色で現すのなら
あかみどりを推奨する訳は
血液と瞳の
色だから
空気が凍りつく夜に
童話のように言葉を傾げながら
あかみどりの話をしよう
死んでいった触媒へのレクイエム
つむればはなさない
可能性の域で
かすかにまどろんだ呼吸を
あなたは続けるのだろう
・ ・ ・
あかみどり、あかみどり
そうやって視界を奪いながら
あなたが成長する様を
世界はなんとなく見てる
蛹になったときですら
痛みを痛みと理解しながら
樹木の枝のように/葉脈のように
感染してゆく感情
それは握りしめた掌の内側で
確かに根付き、躍動している
静かな眠りのなかで
くるくると息をしている
・ ・ ・
信号を0としながら
わたしはやがてすべてを飲み込む
それは誰にも理解されない
あかみどりの中の思考
介すべきものは
もはや散り散りになってしまったから
私たちは胸いっぱいに
世界を拾っている
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