ほんとの土/砂木
 
向こうの外にある空から
根を切られて絶えた花達が
小川のように 流れてくる

一本ずつだった者が
根を捜して彷徨って流れ歩く

土を忘れるように
水を与えられ
雨の届かない屋根の下
失った

こくりと頷くように
夕陽が海を渡る
波に沈んでいく赤いカーテンに

指をかけて 残りの
夜 から 逃れ去る



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