ずるい歩み/朧月
悲しみに
悲しみきっているふりをして
どこへゆこうかも考える
そんな風にずるいほうがいいのです
純粋って
生まれたばかりの赤ん坊だって
そうではないのですから
人は
初めから罪しかもってはいない
だから生きてゆけるのです
そう教えたのは
なにも語らない花であり
風であり
私の想いを重ねても
重いなんて言わないで
ゆらゆらゆらりと
イエスとも ノーともとれる振りかたで
呼吸している自然生えのイキモノ
私だって
だれに決められたわけでなく
誕生したの と
ちょっぴり胸をはり 歩きだす
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