冬に聴くピアノ/七氏
 
鋭く澄んだピアノの音色を聴くとき
私の瞼には冷え切ったガラスが映っています

その切っ先にふれることで
乾いて荒れた指先から
一筋のか細いぬくもりが伝うので

わたしはもっと

もっと

もっと ぬくもりを求めてしまうのです
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