無縁塚の秋/こしごえ
 

だれひとりとしてしることのない果実の
種子のほほえみは約束 され
底も無い墓標により
うきぼりにされ た
(風の透明度は(曲線の乳房(声も
(ふるえ(、を(空きすぎる、
(かかしの大空(伝導なさる(。。。。。。
あっ!
裏の林の暗さにたたずむ
亡霊の静脈を、さかのぼ る
と、とんぼの翅を幽かなひかりが透けて逝く

(あっ!、の亡霊は、
 凍み氷ることの出来ない複眼によって
 映し出される。終わりなき影
 おさらば。青鬼灯の化石よ
 風化する時にながす涙の成分は、いよいよいよ
 無機質な爪先のつややかさ)あなたひとり
、わたしもひとり、
ゆうげのしたくをする
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