見えざりし空には星が満ちている/一 二
森のざわめき
深緑の風の音
ざわざわと穿われた痕
真紅の血の跡、ずきずきと
深き黒き森
光は射さず
昼も夜もなく
血を喪い
茫漠と歩き続ける打ちのめされた魂
倒れこむようにして
とりねこの大樹の下でじっと横たわる
水飛沫の音楽が聞こえ
霧の妖精たちの輪舞が始まる
ただ静かに見守った
そうしていると一番小さな娘が
我が方へと歩みよって
私の顔を抱きしめる
腕は我が身を包みこめなくとも
小さな胸の優しさに
彼女の胸を濡らす
木漏れ日が射し
ニレの樹の木陰で
私はそっと静かに泣いた
そんな私を
彼女は小さな身体一杯に
抱きしめていた
ただ唯一に在るがままに
我が魂の光よ
あなたへ
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