悲しみよこんにちわ/寒雪
永遠に交わることのない
軌跡を歩み始める
夜行列車の中
流れる時をうつろな目で
ただ行き交うままに追いかける
悲しみは生まれてすぐ
大きく成長して
反抗期の第二次性長期の青年みたく
ぼくの心で暴れまわる
だけれども
目を閉じると
悲しみの痛みと同じくらいの大きさで
触れ合った二人の
かき消すことの出来ないエピソードが
両手一杯に抱えた微笑と共に
ぼくの心の奥底で座って
ぼくをまっすぐ見つめている
その感情がある限り
ぼくは悲しみを受け止める
その思い出が消えない限り
ぼくは悲しみを抱きしめる
サガンが書いた小説のタイトルを思い返して
ぼくは笑って明日も
悲しみに挨拶して
新しい二人の出会いを求めるのだ
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