金木犀と綿が舞うような/01
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雪虫を見かける時期までこの関係が続くのかな、と考えながら。
その電話から数ヶ月が経った。灰色な地面も灰色の壁も雪で真っ白に染められていて、夜でも少し眩しい冬の季節になっていた。
昼ほどではないにしろ、夜の雪は街灯の灯りを反射し、ギラギラと僕を睨みつけているようだった。あまりの眩しさに黒目は白く塗りつぶされそうで、僕は飲み込まれそうなくらい黒い夜空を見上げ、白く染まっていく瞳を塗りつぶそうとした。
いつも遠くにあって、手の届かない星。それが、雪の鋭い眼光に蹴飛ばされ、更に遠くへ転がっていた。
相変わらず僕を睨んでいる雪。その視線から目を背け、まぶたを少し伏せる。白い色
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