グレープフルーツ/橘祐介
 
乾いた道我はゆく
道なき道
砂の砦を横目でにらんで
前に
前に
進んでいく

その先になにがあるのだろう

砂の島
虹色の泉

信じるものも
愛するものも
そこに行けばあるのだろうか

いやそこにあるのは
ただの砂
きっと何もない

小脇に水筒かかえ
干し肉背負い
鐘を鳴らして
旅に出る

何故だろう

ここにいれば
水も肉も
果物も
やさしい人たちもいると
いうのに

何を求めて

命をかけて
砂の道に出るのだろう

分からない

分からない

分からないから


一歩
一歩を踏み出す

ついてくる友
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