Sky Walker/寒雪
 


雲ひとつない
晴れやかな笑顔の
青空を
穴の開いたスニーカーで
堂々と歩く
途中
見えない遮蔽物を越え
見えない恐怖心を捨て
先々で
訪れる景色
発生する出来事
すべてが
近い過去であり
遠い未来であり


時々
背中を覗き込みたくて
手鏡を後ろ手に
思っている以上に
大きな存在になった自分に
思わず苦笑い


たどり着くべき目的地には
人の呼吸も体温もなく
背の高い建物も
生い茂った樹木もなく
ただ
乾いた大地が
見渡す限り広がる


両足でしっかりと
大地を踏みしめた時
ぼくはたぶん
ひどく孤独な空気に
体中隙間なく絡め取られるだろう
それでも
もちろん問題はない
それがぼくの最期に
ふさわしいはずだから


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