春/一 二
 
桜舞う季節
散り始めた桜

花びらで埋め尽くされた道は
まるで桃色の絨毯のよう

朝霧に包まれた光は淡く
全身を白と桃色で包み込む
白は光と霧
桃色は舞い散る桜

桜が頬を掠める
微かにこそばゆくて目を細めた
そっと落ちてくる花びらを受け止める
しかし風に運ばれて
すぐに掌から零れ落ちる
何も無くなった掌を
そっと握ってまた歩く

遠い喧騒
やがて近づいてきたのは
大切で大好きなあなた
頭に桜の花を積もらせて
嬉しそうに笑う

あなたと並んで歩いていく
あなたが私に話し掛ける
あなたに私が話し掛ける
あなたと私は微笑む

桜の絨毯にはしゃぐあなたを眺めた
優しい笑みで



また…月日を数える…
また…同じ日々を…過ごす…

あなたと共に
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