クリスマスイヴ/小川 葉
 

おとうさんが
まだおきない
しんだように
ねむっているけれど
すやすやと
いきをしてるから
まだねむっているのだろう
クリスマスツリーの
かざりつけがおわるころ
おとうさんは
むくっとおきて
ダイニングルームに
あるいてきた

+

わたしにはまだ
あしがあった
まだいきていたのだ
しかしここには
なぜあしばかりあるのだろう
それもやかれた
おいしそうな
とりの、あし、あし、あし

+

ちちが
いすにすわると
ろうそくにひをつけて
あかりをけした
だれかの
たんじょうびをいわう
ぎしきのように

+

わたしたちは
わたしたちの
いのちにかんしゃして
わたしたちを
いわった

+

いまうまれたばかりの
いのちのように
みずからを
いわった
 
 
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