マイブーム:味噌/ガマパックン
 
中にこびりついている有象無象をアルコールに溶かして
胃へ流し込むと、腹からだんだんと温かみが手足まで広がる
確認した紙幣を店員に渡し、ありがとお、一言告げて家路を歩く

川沿いの土手を歩いている
川のあっちがわから、グラウンドを煌々と照らす白色光が
川面でゆらめいている
土手の斜面下で深く生い茂る雑草から顔をあげると
橋下の白色光も月の光も届かない暗がりの
隅にうずくまったようなダンボールの覆いの隙間から
オレンジ色の光が漏れている
そこからうっすらと食欲をそそる匂いがしてきたような気がして
インスタントか、またはなんの味噌の匂いだったかとぼんやりと考えながら川面を眺めていた

気がつくと、いつのまにか川の向かいのグラウンドのライトは消え
どこまでが土手かも判別のつかない暗がりの中で
オレンジ色の明かりが心もとなげにゆれるばかりになっていた
ただかすかな味噌の匂いだけが
そっと私の背中を押している
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