って くれない/森の猫
 
零時近くに 帰宅

気づくと ゴゥゴゥといびきをかいて
眠っている

手をのばせば ふれあう
距離にいる N

Nは ってくれない

あたしの感じやすい
ほこっとしたおやまの先端も

泉のわく
坂のふもとも

日に日に寒くなっていく

あたしは Nの腰に手をまわす

あったかい体温だけが
つたわり

つめたい
すきま風が
足の下から

はいってくる
はいってくる

・・・・N

Nは ってくれない

あたしは
眠る

ドクドクして
眠る 
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