ばあちゃんを乗せて/オイタル
っと
ほら ちょっとえさだってやって
だろ
いっつも みああなんて いって
ごろごろくっついて
それで きれいに
消えてったじゃないか
雨のころにさ
いったじゃないか じいちゃんは
もういやなんだ
そういったじゃない
いいじゃない
もう帰してあげて
ゆく道の傍らの
風避けの林の陰に
柿の実が
鈴生りにゆれている
たくさん
ゆれている
色とりどりの記憶を
枝枝に並べている
あっという間に吹き飛ぶ
あっという間の砂の記憶を
とても たくさん
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