母娘/朧月
母は私を
つくりたもうた それゆえに
憎んでしまって ごめんなさいね
あなたと私は別の人だと
あなたもそう 思いたかったことでしょう
あなたを否定することが
自分を肯定することに
思えていたの ごめんなさい
あなたのかたい横顔に
悲しみが隠れているなんて
思おうともしなかった
だって母って強いものでしょう?
あなたと私が 一線に
並んで座っても
あなたはその肩の分だけ
前に出る かばうように
私 もうあなたより背が高いよ
たぶんきこえてない
それぐらいの声で 言った
庭には
母の母たちが
じっと見つめていた なにか言いたげに
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