眼/葉leaf
美しい/さらに眼の重心の偏りによる不安定があらゆる静的な破壊を積み込んで眼の歴史に罅を入れることで美しさをより普遍的な「繊力」にまで高めている////朝の眼は何グラムの朝を摂り込んでいるのか/何ミリリットルの夜を失ったのか/あるいは朝と夜を化合させてできる純粋な昼で自らを組成しているのか//通勤の支度を眼のまばたきが意味づける/瞳の動きが意味を奪う/私は意味のだらしなさにうんざりして部屋を出る////夜の眼はとてつもなく軽い/壺のように空虚をあふれ出させている//夜の瞳は表面に細かい月の根を生やしている/月の根は毎晩数リットルの夜を吸収して月を輝かせる//私は眼のまばたきや瞳の動きの有機的な閉ざされに癒される//私は電気を消し眼を閉じる/眠っている私の眼からも月の根がびっしりと生え出してくる/////
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