狂女の独白・2/salco
 

ほら!
ほら!



ええ、あたしは早く起きます
誰よりも早起き
風よりも雲よりも、太陽よりも
だって太陽はあたしの目の中に住んでいますから
こちらのと、こちらのと、一つずつの中に
そうして決して沈まないから、あたしはいつも物がよく見える
人々はみんないて
一度点呼を取ろうと思って、こんなに息を詰めたままでいたけれど
駄目
みんな勝手に喋るんだから
大声を上げるのは、だからみんなを黙らせる為なのよ?
だってこの中の大きな町の住民を一斉に黙らせるなんて、並大抵の事じゃできませんから
それでもこの人達、言うことを聞かない
出て行ってもくれない
あたしの民ですから
あたくしは女王で、もう嫌なんだけど、出て行くことも出来ないの
眠る時間もありません!
でも、これは秘密ですよ
誰にも話しちゃいけないのよ
―― しっ
外国人のふりをするの!

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