狂女の独白・2/salco
 
い白い世界で一番真っ白い
レースやフリルに飾られた一等綺麗なよそ行きを人は
初めてあたしに着せてくれた
その時あたしは蒼く冷たくこわばった
痺れたようなこの足を
もっと蒼く冷たくこわばった
痺れたような霧の水面に恐る恐る踏み入れた
ちぎり取られた白い花弁が一面に
ひっそりと漂うているところ

ときどき昔を思い出します
お匙でえぐった肉片みたいにベッドに並べて
少女の頃よりずっと小さな指先で触れてみます
神経はその肉の中に生きていて
あっ、―― ああ、痛いだけのこと
いつか春が来て、空がこっそり合図をくれたら
こうして毛布の中で三秒待って
何かの色に化けて、ここを出
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