月時計/八男(はちおとこ)
 
月の光がここを通る時


あの人が死んだ時間を教えてくれる
あの人は笑って死んだ


十年毎に教えてくれる 
月の光は優しかった


ちょうどいい時間に
光に吸い込まれ去っていった十二月の 


いいときはよく わるいときはわるいことを
正確に教えてくれる
運命を知らせる秒針


時間は深夜二時を過ぎて


今は君に口づけをする
正確な時刻だけを測っている


刻んだ無数の嫉妬が
星屑になって 眩しい


雲が邪魔して
時刻が 見えない

わからないまま 私は 向かっていく
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