別離の風景/寒雪
 


木枯らしがわがままに通り過ぎる新月の夜
きみとぼくは人気の疎らな
寂れた駅のプラットフォームで出会う
互いにはにかみながら
それでも幼少期からそばにいる
竹馬の友を真似た笑顔で
触れられそうなぎりぎりの距離感を保ち
足並みを揃えて
停車しているくすんだ灰色の電車に乗り込む


向かい合わせに座り
列車の振動に無様に揺られながら
二人は取りとめもない
話したすぐにもう思い出せない会話に
喜怒哀楽を交えながら盛り上がる
握った手の平のしわが
気が付くと三倍に増えている
トンネルの暗闇
開けた入江の汚さ
枯れ果てた雑草が眠りに付く草原
二人の目に飛び込ん
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