夜の口笛/朧月
優しくない
人を妬む気持ちが
ドロドロと溶けだす夜
私はまた罪をおかしそう
もっているものをあわてて確かめる
人並みに揃っていればいい
多少足りないぐらいなら
コンビニにいって買おう
落とし穴をほってしまいそう
山の兎がおちたら
きっときっと泣くだろう
大事なものわざと隠す
あなたが探せばいいと
なによりお前が大事だと
三回ぐらい言ってほしい
寝る前までに一回泣こう
落ち着くまで外をみよう
こんな私はばかみたいだと
おもうけど 自分はこうなんだ
だれか私を認めてよ
そう言いたいけど だれもいないし
わかったよなんて言われたくなくて
低く口笛ふいてみた
禁じられた夜にむかって
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