あいうえお(「五十一のデッサン」インスパイア系)/小川 葉
 
 
 
(あ)

あかんぼうが
ないている

あー
あー

それはぐうぜんにも
ひらがなの
さいしょのおとだった

こもりうたをきかせると

いー
いー

と、わらった


(い)

いのちが
やさしく
つつまれている


という
もじに

すこしはなれた
せんとせんの

ひとつはとうさん
ひとつはかあさん

そのまんなかにある
くうはくに
わたしのいのちがある

きみの
いのちも


(う)

うまれたばかりの
う、のように

う、はまだ
ことばをしらない

ぼくもまた
う、をしらなか
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