転がって/
碧姫
当たり前の言葉を
不自然な横顔にうつして
歩いていったあの場所は
瞬く間に消えていった
君と重ねた時間
君と積んだ記憶
君と求めた価値
雨が降る前に
ゆっくりと逆流した
もう届かない
もう戻らない
もう終わった
むなしさの延長線上にある
素直な私の感情は
蓋を開けると溢れてくるが
ほうっておくと消えるだけ
朝靄よりも早くきれいに
何を信じる?
何を感じる?
そんなもの
転がってしまえば壊れるだけ
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