太陽と北風/寒雪
冬がすぐそこまで
足並みを乱しながら
昨日の寒さを駆逐する
新たな季節を告げようとする朝
新聞を郵便受けから出そうと
外に出ると
東から紅く頭に血が上った太陽が
ゆっくりとこちらを睨む
なんだか自分の魂に挑まれている
そんな気分になって
負けずにこちらも太陽を睨みつける
太陽の光が目の中で暴れまわるけど
やせ我慢して腕組みして対峙する
どれくらいの時間が経ったのか
戦いに水を差す北風の急激な呼吸
あまりの肌寒さに
震える体をこすりながら
足早に逃げた自分の負け
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