と・き・め・き/森の猫
 
ふと 横を見ると
あのひとがいた

1年前 
恋こがれて
夜の渋谷の坂を
走って追った ひと

横顔 今もすてきだ
30センチも離れていない
ところにいる

あっ

彼は その細い手で
友だちの幼子を
あやしている

どきっ

胸がなる

ときめいた
あのときの
キモチがよみがえる

ほんの短い時間
彼と
夏の渡米の話をする

あくまでも
彼は紳士的で
やさしい

普通にはなせた
ふしぎ ふしぎ ふしぎ

ときめきは
まだ あたしに
残っていた

こうして
あたしは
相も変わらず

ときめいて

年を重ねて
ゆくのだろう・・・



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