くらやみ/アンテ
 

ひっしにさけぶと
おじいちゃんはたちどまって
むねまでみずにつかったままわたしをふりかえった
すいめんとおなじように
おじいちゃんのからだもきらきらひかっていた
もういちどよぶと
おじいちゃんはゆっくりともどってきて
かわからあがった
もうおうちへかえりたい
っていうと
おじいちゃんはうなずいて
わたしのてをひいてあるきだした
きゅうにねむくなって
あくびをれんぱつしていると
おじいちゃんはわたしをおんぶしてくれた
ふりかえっても
かわがどこにあるのかわからなかった
せなかにもたれていると
とてもあたたかくて
おじいちゃんがはなしかけてくれるたび
うん とか
ううん とか
こたえていると
こえはぼそぼそととおくなって
そのうちなんにもきこえなくなった
とてもしずかになった



戻る   Point(3)