くらやみ/アンテ
ひっしにさけぶと
おじいちゃんはたちどまって
むねまでみずにつかったままわたしをふりかえった
すいめんとおなじように
おじいちゃんのからだもきらきらひかっていた
もういちどよぶと
おじいちゃんはゆっくりともどってきて
かわからあがった
もうおうちへかえりたい
っていうと
おじいちゃんはうなずいて
わたしのてをひいてあるきだした
きゅうにねむくなって
あくびをれんぱつしていると
おじいちゃんはわたしをおんぶしてくれた
ふりかえっても
かわがどこにあるのかわからなかった
せなかにもたれていると
とてもあたたかくて
おじいちゃんがはなしかけてくれるたび
うん とか
ううん とか
こたえていると
こえはぼそぼそととおくなって
そのうちなんにもきこえなくなった
とてもしずかになった
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