「 沈黙の季節 」/椎名
 
ゆらめいて水面

きらめいて光

やさしくなった季節に

少しだけ張り詰めた風が吹く



季節の狭間を

冬がくるまでゆらゆらと

揺れていよう



別れと出会いのあいだで

少しだけ

期待と哀しみを抱いて



急がなくても

そのときはくるから

いまは

このやさしい陽射しに包まれて

漂っていよう



ゆらゆらと水面

きらめいてひかり

ゆったりと

時が流れていく




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