書き付ける/元
書き付ける
僕はどこに行った
愛する人に恵まれた
嫌われ者の自分なんてなくてよかった
そこにいさせてもらえれば
楽しかった
満たされた
飲めば飲むほど乾いてく
僕から遠く離れた海に 溺れているような
渇望
だからサヨナラをした
あるべき場所に僕がいない
住まう家がないから
あてどもなく歩いてきた
涸れて彷徨
それはまた 荒野の砂塵に同じこと
ずいぶんと旅が続けば
出会いもまた あり
学ぶ事もまた あり
歴史の波に引き裂かれて 独りになった
寂しくて泣いた
そしたら見つけた
僕の、みいら
シイタケみたいに水で戻す
かさかさで空っぽで
何を注げば生きられるのか
書き付ける
僕がいたから
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