Zombie/三奈
「有害な空気を生み出す煙突のようだね」
そう呟いたのは、他でもない私の心でした
体内をぐるりと回り行き場を失くした有害物質は、ため息と共に吐き出される
透き通った冬の空気
吐いた息は煙みたいな灰色だ
「心が焼却炉になったのはいつからだろう」
そのせいで私の口は煙突になってしまった
もえるゴミは毎日飽きずに何かを叫び
焼却炉が無理やりそれを黙らせる
本当は気づいていた
“愛して”の声
誰が?誰を?
私が、私を
今日もせっせっと焼却炉
もえるゴミを燃やしていく
壊れるまで働いてちょうだい
火種なら無限にあるからね
今日もせっせと私自身が
私自身を潰していく
それでもなぜ、もえるゴミは生き返るの?
昔見たホラー映画のワンシーンが
ふと、脳裏にちらついた
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