つた う/砂木
 
匂い袋を破っても匂いは漂うように
お守りの使えない事に
包む掌は頷いていた
待っている続きにしか
使えない守り

薄めれば薄めるほど
きかなくなる
でも どこまでも薄まる事に
耐え損ねて

のべくべるわな
つるにのまれるやぶ

ひとつづつおる指に
渡り乞う 匂い


戻る   Point(5)