スターライトガール/三田九郎
圧倒し
星空はネオンの彼方
愛は虚構の向こう
何も見えない生き物達が
鏡ばかりを見つめていた
・・・♪
皆が忘れかけた頃
彼女はふらと扉を開けて
星を束ねて町に出る
巻き髪を揺らし
・・・♪ ・・・♪
・・・♪
ほら、また、こぼれ落ちた
彼女の残像は空間に焼き付いて
波紋は速度を和らげて広がり
雑踏は光で満たされていく
(希望あります。時々散歩中)
雑居ビルのあの立て看板の謎が
また何人かの中で弾け
ある者は鏡を捨て
ある者は踏み割り
世界だと思っていた世界が砕けていく音、
音、音、
一晩光り続け
鳴り続け
物思いの数だけ世界は癒され
喫茶店の紳士に
段ボールの子猫に
孤独なカラスに
当分歩いていけそうな確信を授け
・・・♪
・・・♪
彼女は嬉々と中空を仰ぎ
月が
星が 色を失っていく
グラデーション
溶けていった
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