金魚/藤鈴呼
 
相まって
至極 華麗に 簡単に 視界を汚す 存在
穢れて生るのは 瞳の方
再生可能なレンズばかり
赤や紫のビームで 切り刻む皮膚は
爛れながら 皮膚を 別物に 染めていく

アスファルトに乱反射した夕暮れは
嘘みたいな鮮やかさを呈しながら
時間遅れの飛行機雲と一緒に
地平線まで 追いかけっこを 始めた模様
ねぇ地球は 碧いの碧なの
信号機から溢れる光の種類なら知ってる
振り向いても死角ばかりで 解らないんでしょう

今夜の月はとても綺麗だ なんて
ありきたりの文句で挨拶をする相手も居ずに
未だ夕方の範疇なんだから なんて
添削してくれる 脳味噌ばかりを 信じて進む
間違いない 薄紅の刻は 過ぎてしまった
濃ゆいばかりの夕闇が 波の如く 流れて 消えた

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