空想の午後一番/碧姫
 
さりげない あきらめの下で
そぉっとすくいあげた光が
一瞬の間をおいて降ってくる

おどおどとした
まどろみの中で見た風景は
どうにもこうにも思い出せない
掴み切れないままいつも、そう、
ほてったつま先が気になって眠れないように
あと月の石一個分が届かない

窓越しに見る太陽の光がまぶしくて
目を細める自分に嫌気がさすなら
空想の午後一番列車に

出発ホームは どこだったろう


もどかしい 不在の中で
きっぱりと断ち切れた闇が
またもや辺りを包もうとする

当たり前の土手に咲く曼珠沙華
密やかな異空間に見とれてた雨の日は
限りないまでに忘却がちかづ
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