/くゆら
もんき蝶がひらひらと
花から花へ
空は真っ青で雲一つない
お日さまはご機嫌で
ぽかぽか陽気
草や木が青々と生い茂って
小鳥の囀ずりが聞こえてくる
そんな小さな心の春が
わたしの周りには溢れている
冷たい
コンクリートの正方形の中で
三角座りをして
毎日足の間から見える同じ床
灰色で冷たくて
薄暗い
上を見ても灰色
下を見ても
右を見ても
左を見ても灰色
わたしの心から色が消えた
一つの光も入らない
この正方形の中で
絶望とわたし
いつか溶け合って
コンクリートみたいに
冷たくなって
灰色になってしまうのだろうか
いつか溶け合って
春が見れるだろうか
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